2017-11-17 東京矯正歯科学会秋季セミナー|しばた歯科矯正クリニック|大井町の矯正歯科

2017-11-17 東京矯正歯科学会秋季セミナー
平成29年11月16日東京矯正歯科学会秋季セミナーに行ってきました。
今回のテーマは「開咬に対するアプローチ」で矯正の先生が2名、歯科口腔外科の先生が2名の講演を聞きました。
1:「診断が大事」=顎位をはっきりさせる。開咬は顎位が不明確なことが多いので、昔から言われていたことです。当院ではもちろん行なっています。
2:矯正で治療する場合矯正用インプラントとリンガルアーチを併用して上顎臼歯を圧下して治療する。が、治療後の安定性を調べてみると、安定している/安定していない症例の差は、下顎臼歯の挺出の差だとのこと。
       要するに、きちんと噛むというトレーニングができていない患者さんは安定しないということである。上顎臼歯のみを圧下しても咬合高径をコントロールすることは難しいし、維持するのも困難ということが徐々にはっきりしてきている。
3:MACサージェリーを提唱。下顎はなるべくオペをしない。オートローテションをさせる。つまり、上顎を上後方に移動、且つ後方の圧下量を多めにする。下顎骨を回転させて咬ませる。そうすることによって下顎頭に対する負荷をなるべく減らそうという考え方である。下顎をオペする場合は、前方への移動のみと考えているようだ。
4:コンピュータがフリーズし4−5回講演が中断した。亀井先生もちょっと困っていました。講演内容は、顎位が安定するのを待って、従来のオペ法の応用、ショートリンガル等の筋付着部位を避けたオペなど工夫を凝らしたオペを提唱。最後に、やっぱり関節円板を関節頭上に載せられれば、それが一番PCRに対して強い(を防ぐことのできる)環境ではないかと提言。
 
※PCR=進行性下顎頭吸収(Progressive Condylar Resorption: PCR)は進行性の下顎頭の形態吸収変化とそれに伴う著明な同部の体積の減少と定義され、下顎枝高径の短縮・下顎後退などにより、前歯部開咬、すなわち前歯部で咬めない状況になる。原因は全く不明である。治療法もよくわかっていない。咬合位を安定化するとよいといわれている。